開戦84年 陳擎耀展:戦争と美術
「祖父は自分のことを“日本人”、父は“中国人”と思っていたが私は“台湾人”である。」
2025年7月12日 ~ 2025年8月31日

日本、中国、北朝鮮などの指導者を自らの顔に置き換えた肖像画や、戦う美少女の姿にアジア諸国間の政治情勢を投影した作品を手がける台湾出身のアーティスト、陳擎耀(1976~ )の個展。
2025年は終戦80年の節目の年ですが、第二次世界大戦の開戦からは84年にあたります。本展では、陳擎耀の作品に加えて、制作のために参照された戦争記録画や戦時中の各種資料もあわせて紹介。「終戦」という言葉の概念や時間的区切りを越え、日本をはじめとする東アジアの戦中~戦後の歩みを連続的、多視点的にとらえなおすことで、現代東アジアの社会や文化、民族性などについて再考察します。
2025年は終戦80年の節目の年ですが、第二次世界大戦の開戦からは84年にあたります。本展では、陳擎耀の作品に加えて、制作のために参照された戦争記録画や戦時中の各種資料もあわせて紹介。「終戦」という言葉の概念や時間的区切りを越え、日本をはじめとする東アジアの戦中~戦後の歩みを連続的、多視点的にとらえなおすことで、現代東アジアの社会や文化、民族性などについて再考察します。
会期
2025年7月12日(土)~8月31日(日)
時間
9:30~17:30(入館 17:00まで)
休館日
月曜日
ただし7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)は開館し、7月22日(火)、8月12日(火)は休館
ただし7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)は開館し、7月22日(火)、8月12日(火)は休館
会場
全フロア
観覧料
一般 800円(700円)/高大生 400円(300円)/小中生 200円(100円)/未就学児無料
※( )内は20名以上の団体および田川市在住者[要身分証明書]の料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介助者1名無料
※土曜日は高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体および田川市在住者[要身分証明書]の料金
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方とその介助者1名無料
※土曜日は高校生以下無料
主催
田川市美術館
指導・助成
中華民国(台湾)文化部
協力
臺北市立美術館
キュラトリアルチーム
キュレーター
賴佩君・廣畑公紀
レジストラー
陳飛豪
アートディレクター
黄琬玲
翻訳
呂孟恂・黃暉峻
映像システム設計
八嶋有司
インストーラー
坂崎隆一
略歴

陳擎耀|Chen Ching-Yao
1976年台北市生まれ、現在台北市在住。2006年台湾・台北芸術大学美術科美術創作修士課程卒。異国間の文化や人種、民族の違いなどを題材に、ユーモラスな写真、映像、絵画作品を制作している。2000年「台北美術賞」(台北市立美術館主宰)にてグランプリ受賞。2009年にはアメリカのアジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を得て、ニューヨークにレジデンス滞在した。作品のテーマは権力やシンボルの解体。日本や韓国のポップカルチャーや、アジアの政治家の肖像を引用し、それらを「笑い」をともなうイメージへと変容させたり、戦争記録画を現代に再生するような作品を数多く手がけている。
作家の言葉
東アジアの国々は、千年に及ぶ儒教の伝統と19世紀の近代民族主義国家的概念の二重の影響のもとで、システムと組織を特に重んじてきた。誰もが社会の封建的なシステムの中で決められた役割を、適切かつ地道に演じなくてはならず、当然そこに現れる個性的特徴はすべて消し去らなくてはならない。だからこそ朝になって軽快なラジオ体操の音楽が流れて来ると、私たちは知らず知らずのうちに手足を動かしてしまう。だからこそ私たちが追いかける韓国のアイドルグループは美容整形や化粧や髪型のせいでみな同じように見え、AKBやHKTやNMBなどの、メンバーが限りなく増殖していく、まるで軍隊のような大編成の美少女アイドルグループが登場するのである。当然それぞれの顔を識別するのは至難の業であり、しかも本物の戦場のように、前に立つ兵士が倒れると後ろの兵がすぐにその位置に就く。あるいはこれらの少女アイドルグループと、足を高く振り上げて歩く北朝鮮の女性の閲兵は、本質的には同じであるのかもしれない。どちらも華やかに咲き乱れながら、リーダー(あるいは組織)を声高に呼び求めるユートピアの花なのだ。
陳擎耀
本展の見所

《神兵台北に降下す》2025年 作家蔵
⒈台湾国内で評価の高い現代美術家、陳擎耀の日本初個展!
「台湾人」という客観的な視点から、日本を含むアジア諸国の戦中~戦後~現代の社会、政治、文化を俯瞰する試みです。
⒉ 陳擎耀の絵画と映像作品に加え、戦時中に多数流通した「戦争記録画」の画集や当時の子どもたちが夢中になった玩具や雑誌など貴重な資料もあわせて公開します。

(参考)「戦争記録画」関連資料

(参考)「戦争記録画」関連資料
⒊ 複雑で相互に関連する課題が山積するアジアの社会性を、ユーモアやアイロニーといった風刺的手法によって映し出していく陳擎耀の作品は、世界情勢が不安定化する現代の、「分断」や「対立」を乗り越えるためのヒントが隠されています。

《親愛なるMr.チェン、私たちはあなたを愛しています ―某日本總理大臣》2019年 作家蔵

《AK47少女 愛の不時着》シリーズより 2021年 作家蔵
《草の上のAK47少女》2017年 作家蔵
関連イベント
▍オープニングシンポジウム
アーティスト、本展レジストラー、国内美術関係者を招き、展覧会のオープニングを記念したシンポジウムを開催します。
日時
7月12日(土)14:00~16:00
会場
田川市立図書館2階 視聴覚室
参加料
無料
パネリスト
陳擎耀(アーティスト)・陳飛豪(レジストラー)・伊藤隆介(映像作家・美術作家)・癸生川栄(eitoeiko代表)
モデレーター
廣畑公紀(本展キュレーター)
▍スカブラ広場
会期中は、絵本や美術図書を読んだり、外の景色を眺めたり、ゆったりとした時間を過ごしたり…、
忙しい日々の中でちょっと一息つける憩いの広場を設けます。
忙しい日々の中でちょっと一息つける憩いの広場を設けます。
会場
田川市美術館AVホール
入場料
無料
▍ツキ市『ちいさな台湾風マーケット』
人気のマルシェイベント「ツキ市」が今年も美術館にやってきます。
※画像をクリックまたはタップで拡大します。
日時
7月20日(土)11:00~15:00
会場
田川市美術館内
出店
aacharing
味の番頭 田蔵
tas coffee
羊と心臓
MASKER
らすた食堂
美術館シークレットブース
主催
▍連携企画として東京で同時期に陳擎耀展が開催!
チェン・チンヤオ(陳擎耀):戦場の女
会場
eitoeiko(東京都新宿区矢来町32-2)
会期
2025年7月19日(土)~8月23日(日)
開廊 12:00〜19:00(休廊/日・月曜日・8月12日〜8月15日 夏期休廊)
開廊 12:00〜19:00(休廊/日・月曜日・8月12日〜8月15日 夏期休廊)
お問い合わせ